佛教大学文学部英文学科(通信教育)に入学した理由
大学受験の頃に体調を崩して希望の大学に入れなかったので、やり直してみようと思いました。
ラジオ講座の広告で見つけた佛教大学は京都なので環境も気に入りました。高卒資格さえあれば入学可能なので受験対策なしですぐに手続きしました。
スクーリング(通学授業)は2週間単位で参加
毎年夏季スクーリングに参加しました。集中的に単位が取れるのはこの夏のスクーリングだけで、春と冬はとびとびの2週間です。
スクーリングには京都に3週間ほど滞在するので早くからホテル、のちにウイークリーマンションを予約しました。
佛教大学は京都の北西に位置し、金閣寺から歩いていける環境のよいところにあり、キャンパスはこじんまりして、全国から学生がきました。
年齢は18から66まで会いました。授業は朝から夕方まで8時間びっしりです。通信のスクーリングで手加減してくれたのは始めのほうだけです。
一年次に体育実技がありましたが、友人をつくるためのグループ分けの意味もあったようです。
佛教大学通信の単位修得方法
レポート提出は400字×4枚、で科目ひとつにつき2種類出しました。
合格すると試験を受けられるので、地方に住んでいたらたまにしかない機会を使うため、毎回一気に4科目を受験しました。
2年目までのレポートは割りと簡単で、試験もテキストを読めば合格する内容でしたが、専門課程になると英語音声学や英語史もあって、ちょっと興味本位で読んでいるくらいでは試験に対応できません。
仕事は落ち着いていましたが、休日もめったに遊ばずみっちりと自宅で勉強しました。卒論の準備は3年目には始めました。
通学制と変わらない内容、大満足
通信教育部だと軽く扱うことなく、佛教大学の与えうるレベルできちんと英文学を教えていただいた点です。
スクーリングだから短かったとはいえ、ちゃんと英会話、リスニング、文法の講義もあり、リスニングのテストは特別室で機材を使って行われとても快適でした。
アメリカ文学の講義では、自分が知らなかった作品に触れることもでき、新鮮な体験ができました。
ロレンス・ダレルは後年読みましたがちょっと難解で、それを通信教育のスクーリングで講義されたというのはレベルが高かったのではないかと嬉しく思います。
卒業論文を書いても書いても不合格の連続…
卒業論文にシェイクスピアの『リア王』を選択、専門でシェイクスピアをやる教授がいるので担当してくださいました。
教授はかなり年配で、図像学や文化人類学を取り入れた学説をご存じなく、こんなのは聞いたことがないと一蹴され、結局教授の気に入る範囲でまとめなければならなかった点は厳しかったです。
これは個人の問題ではありますが、フルタイムで仕事をしながら論文を書くには自分が楽しみながらでないと本当に苦痛です。
丹念に調べ上げ自信を持って書いた部分は否定され、時間が厳しくなってフィーリングで穴埋めしたら「この部分が白眉」と絶賛、さらに「これは何を参照したのか」と盗作よばわりまでされ、自分で書いたと納得させるのが一苦労です。
あまりかみ合わず、結局、狙っていた論文賞も貰えませんでした。この担当教授にはそれでも大いに気に入られ、ぜひ大学院へと勧められましたが、そんな気にはなれませんでした。
もっと時間をかけてこの教授とも何度も面接ができていれば、自分もちょっと変われたのでしょうが、やはりコミュニケーション不足こそが通信の難しいところです。
佛教大学通信教育にはこんな方におすすめ
純粋に勉強をし直したいならそれが叶います。
勉強する機会がなかった方に限らず、別の科目をとったので今度は英文学もやってみたいとか、興味が強くて自由な環境にある方にお勧めします。
同級生の中には、職場での無理解ゆえに挫折した方もいましたし、夏のハードスケジュールで体調を崩してしまった方もいました。
だから仕事との両立に無理がない、または仕事をしていない方、ある程度お金に余裕がある方、スクーリングで体調を壊さない程度には体力がある方にはもちろん、
目標としてキャリアアップありきではなく、豊かな人生のため教養を身につけるつもりがある、全国から来るさまざまな環境の学生と出会うこと自体を糧にできる、そういう方にはすすめられます。
転職した先で粘り強さと好奇心が高評価された
転職理由は自分のケガで書店の仕事ができなくなったからで、通信制大学は関係ないのですが、絵に急に興味が湧いて美術館に入りました。
美術館では展覧会が次々と変わりますが、好奇心が人一倍になっているため仕事が楽しくて仕方なく、また、知らない知識を吸収することに躊躇いがありません。
この態度を仕事熱心ととらえられ評価が高いですが、本人はキャリアのために勉強しているのでなく、暇さえあれば勉強するクセがついているのです。
また、粘り強さや追い込まれたときの踏ん張りが身についており、父の急逝、母の大手術に遭遇してもうろたえずにいられました。
今はまだ忙しいですが何か資格が欲しくなったら、いつでもとればいいと思っています。
佛教大学卒業生 50代女性 福岡在住